今朝、こんなニュースを読んだ。唖然とした。

全国最多の原発15基(1基は解体中)を抱える福井県と県内立地4市町に、匿名を希望する大口寄付が2010年度までに少なくとも計502億円寄せられていたことが、自治体への情報公開請求などでわかった。朝日新聞の今回の取材で、約3割の150億円は、同県内に原発をもつ関西電力など電力事業者からと特定できた。(朝日新聞,2011.11.4)

匿名で502億という大金を寄付するなど、普通では考えられないことであるが、名を隠すには隠すだけの理由があるということだ。(むろん良い理由であるはずがない) ここには東電の名前はないが、それは東電がこの地に原発を有していないからであって、福島や新潟などの東電所轄の地域においては、おそらく同じようなことが行われているに違いない。

このように彼ら(電力会社の連中)は、「原発を安全ならしめること」に努めるよりも、「原発は安全であるというPR」と「原発周辺地域への利益供与(誘導)」の方に、昔からずっと金を使い、意を用いてきたという印象はぬぐい難い。上の朝日新聞の記事にあるような「原発の街」への財政的援助、政治家や政治団体への献金、テレビ・新聞・雑誌への多額の広告費の拠出・・・。無論こうしたことに必要な金は、我々が支払う電気料金に上乗せされていることは言うまでもない。本末転倒、僕から言わせれば「ふざけるな!」である。もしこの金員と労力が原発の安全整備とその方面での技術開発のために使われていたら、福島原発は津波による被害を最小に食い止め得たかもしれない。

一方、「匿名を希望する大口寄付」なるものを、長年こっそり受け取ってきた地方公共団体、ひいてはその恩恵に浴してきた地元企業・住民も非難されるべき点がないとは言えない。「私たちにお金を出すよりも、その分を先ずは原発の安全性向上のために使って下さい!」という当然の要求を彼らはしてこなかったのだ。原発のお蔭で立派な施設が街に出来たり、新たな雇用が生まれたとしても、安全性向上の足しには全くならない。不景気や高齢化で地方の財政が逼迫している事情は分かる。だが、これを「公私の混同」と言わずして何と言おう。

また、電力会社がこのように下らないPR活動や政治的活動のために多大な労力と金銭を費やさねばならなくなった、そもそもの原因をつくりだした「反原発団体」の存在も、非常に問題である。大江健三郎氏を例に取るまでもなく、彼らの多くは、原発と原爆の違いさえ理解出来ない(理解しようとしない)困った人たちである。長年にわたり彼らは、自らの勢力拡大と権力闘争のために原発の危険性をことさらに煽り、それを政治利用してきた。それが電力会社側の過剰な自己防衛コストの増大を助長した。(原発事故を契機に「それ見たことか」と反原発団体は勢いづいているが、事はそう単純ではない)

そして、そのような中で、3.11が起こった。これが「人災」でなくて何であろう?? ここに至った経緯は様々な角度から検証されているが、一言で言ってしまえば、上述のような原発の「利権」や「政治的利用価値」に群がる人々や団体の色々な思惑が複雑に絡まって「大切なこと」がないがしろにされた結果なのだ。

とにかく「原因」はどうであれ、原発事故を起こしたという「結果」に対して、東京電力は責任を取るべきである。もっと具体的に言うと東電は解散するべきである。「大きな原発事故を起こした電力会社は存続できない」という「前例」が出来れば、今後、事故の再発防止と原発の安全性向上にプラスに働くと考えるからである。「原発を安全ならしめること」よりも、「原発は安全であるというPR」と「原発周辺地域への利益供与」に意を用いるような馬鹿な電力会社の姿勢も少しは改まるに違いない。何故なら、どんな企業にとっても「倒産」が一番恐ろしいことだからである。 倒産のない会社に緊張感など生まれるわけがない。だから税金を以て東電を存続させるようなことは、愚の骨頂である。こんなことをしたら、彼らはまた味をしめて、今後もPR活動や政治的活動を続けるに違いない。そもそも、競争のない独占的地位に安住する半官半民のような企業だから、このような事態に至ってしまったのだ。震災以来の東電の「対応の拙(まず)さ」は目に余るものがあるが、その事例の大半が「公務員的」であると感じるのは僕だけではあるまい。

彼らは100年に一度の災害に対しては準備をしていたのかもしれない。だが1000年に一度の災害への備えを怠った。1000年に一度だからといって決して言い訳にはならない。このことはつまるところ、東電という企業は100年以上存続させるに値しない企業であることを、自ら世間に向かって認めたに等しい。原子力という危険な物質を扱う以上、そう断定せざるを得ないのである。

今回の原発事故に関して、東電の非は言わずもがなであるが、原子力発電所を「発電」の以外の目的(金儲け、政治的目的・・・etc)に利用してきた全ての人間・組織に対して僕は言いたい。ふざけるな!と。

※付記 東電は解散した方が良いというのが僕の意見だが、決して大勢の東電の社員が路頭に迷っても構わないと言っているのではない。彼らはそれなりの高度な技術やノウハウを持っているのだから、東電に代わる新たな新会社(新組織)に採用されてしかるべきだと思う。ただその場合でも、大胆なリストラは断行されるべきだと考える。