今日は12月15日。もう年の瀬である。赤穂浪士討ち入りの昨夜は、金曜日ということもあって、忘年会帰りとおぼしき、ほろ酔い加減の男女を街頭でよく見かけた。

この時期、毎年決まって繰り返す感慨・・・、一年は早い!

一年が早いということは、歳をとること、老いることが早いということに他ならない。「若さ」だけではない、時の流れと共に色々なものが過ぎ去っていく。それらは全て「還ってこないもの」である。私の知己の中にも今年「還らぬ人」となった方々がいる。例えば私のサラリーマン時代の元同僚、Kさん。福島にゆかりのあるKさんは亡くなるすぐ前に当店を訪ねて来られ、被災地でボランティア活動をされた話などを楽しそうになさっていた。その時、福島の日本酒をお土産に頂いた。お酒の好きな方だった。「元気だったあの人が・・・」と思うととても信じられない。

また、商売がらみの話をすると、当店は「喪中ハガキ」の印刷を年賀状のそれと平行して行っている。文章や体裁を顧客の要望や慣習に添って整え印刷する訳だが、自然と文面とその意味するところがこちらの目と頭に入ってくる。喪中ハガキの中で亡くなったとされる方々。それは決してお年寄りばかりではない。親、兄弟、姉妹、子女、伴侶・・・。鬼籍に入る方は、老若男女、順逆、実に様々なのである。むろん印刷屋の私ごときが容喙する話ではない。だからいつも心の中で手を合わせてご冥福をお祈りするよう心がけている。

この世界に、この人生に、確実なものなど一つもない。あるとすればそれは、時々刻々と「死が近づいて来ている」という事実だけである。仏教徒の端くれである私は、ここで釈尊の次の言葉を思い出す。

「学ぶこと少ない人は、牛のように老いる。かれの肉は増えるが知恵は増えない。」(「ダンマパダ」、中村元訳)

今年一年を振り返って、自分が何を学び得たか、何を学ぼうと努めたか・・・を、指折り数えてみようとするが、忸怩たる思いを禁じ得ない。「牛のように老いる」のは嫌だ。学ばなければならない。怠けている暇はない・・・。

皆様、今年一年、誠に有り難うございました。皆様が、明るく健やかに、そして希望に満ちて、新たな歳を迎えられることを願ってやみません。