あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します・・・。と先ずは型どおりの挨拶を致しまして・・・。

さて・・・。

ついに「その日」が来てしまった。年が明けてすぐ、禁酒223日目で酒を飲んだ。

「機会があれば飲んでもいいや」という気持ちはずっと持っていたので、まあ、早晩訪れるべき再飲酒の日だったと思う。実際、この半年余りの禁酒期間で、「今日は飲むかもしれない、飲んでも良いな」という日が何日かあった。だがそうした機会にはことごとく運が良くて(悪くて?)飲まなかっただけなのである。例えばこの期間に友人の結婚式が二度ほどあったが、両日とも「勧められたら今日は飲もう」と、内心期待して(笑)臨んだにもかかわらず、誰からも勧めてもらえなかったのである。

「なんでノンアルコールビールなの?」

「酒止めてるんだ」(ワクワク)

「えっー!偉いじゃん。頑張れ!」(ガーン)

こんな軽い気持ちでやっていたのに禁酒が半年以上続いたことは、今から思えば、酒好きの僕としては奇跡に近いのだ。

飲んでしまった具体的な理由を今ここでつまびらかにするつもりはない。まあ一言で言えば、素面で直面するには困難な出来事が色々あったのだ。(むろん、それは「口実」若しくは「言い訳」なのだろう。要するに飲みたかったのだ・・・) 酒はその日一日で終わりにするつもりだったが、図ったかのようなタイミングで近親者の訃報が飛び込んできて、通夜では酒を飲むべきだろう(笑)と思ったから、それから帰省するまでの数日、そしてその後もずるずると毎日飲んでしまったのだ。だが今となっては理由はどうだってよい。いつかはこうなる事は分かっていた。

223日ぶりに口に含んだ麦酒は実に美味しかった。麦芽の味が驚くほど濃厚に感じられた。飲酒初日こそ直ぐに酩酊してしまい随分弱くなっているのを感じたが、二、三日で元の強さに戻った。いやさらにパワーアップしているようだ。なにしろ肝臓は、長期禁酒のお蔭で小学生に戻ったかのようなピチピチ、プルプルの状態。脂肪肝も解消。ガンガン飲めてしまう・・・。

久しぶりの酩酊は心地よい。アルコールで頭が麻痺すると、僕と世間との、あるいは僕と僕自身との緊張関係が忽ちに解消される。自他を区別する境界線が曖昧になる。つかの間の休戦協定。自他一如の懐かしい世界。「復帰」を歓迎してくれる飲み友達。談笑。千鳥足。さあ、世界は今こそ完璧になった!

だが、飲み始めて10日くらいで、やはりこれはまずいと思い始めた。明らかに酒に対する依存度は以前のまま。いやむしろ依存度が増しているようにも感じられる。223日間、抑え付けられ心の片隅に潜伏していた飲酒欲求が、堰を切ったようにあふれ出す。夜のとばりが下りると強い飲酒欲求がおそってくる・・・。

アルコール依存症の進行過程を山登りに喩えると、僕は、すでに7?8合目まで来ているのかもしれない。今回の禁酒はあくまで山腹で腰をおろして「休憩」しただけなのであって、山を1メートルも下ってはいないのだ。

しかしそれにしても・・・飲んでしまった自分。酒や飲酒に関してさんざん偉そうなことを言ってきてコレだ。我ながら笑うしかない。だが、七転び八起き。近くまた禁酒を再開するつもりだ。今回の禁酒でシラフの世界がすばらしいことを実感した。酒を飲まない人間だけにゆるされた晴朗で明晰な世界。これを手放してしまうのは実に惜しい。もしもこのまま飲み続けたらどうなるだろうか、山頂まで登ってしまったら・・・。待っているのは悲惨な「遭難」でしかない・・・。それは分かりきっている。